■ 抄録・要旨
| 日本国内の環境試料中ダイオキシン類(ポリクロロジベンゾ-p-ジオキシン、ポリクロロジベンゾフランおよびダイオキシン様ポリクロロビフェニル(PCB))の毒性当量(TEQ、世界保健機関が2006に定めた毒性等価係数に基づくもの)の簡易測定法を提案した。この方法は、長さ10mのDB-5ms(インジェクタ側)および長さ20mのDB-17ms(検出器側)を組み合わせたカラムを用いた1回のGC/MS測定で、5つの指標異性体(2,3,4,7,8-ペンタクロロジベンゾフラン、1,2,3,4,6,7,8-ヘプタクロロジベンゾ-p-ジオキシン、1,2,3,7,8-ペンタクロロジベンゾ-p-ジオキシン、IUPAC番号#126および#105のペンタクロロビフェニル)を測定し、それらの濃度からTEQを推算するものである。この方法で各種環境試料(大気、河川水、河川底泥、土壌)を測定しTEQを推算したとろ、公定法による結果を良好に再現した。さらにこの方法では、日本における4つの主要ダイオキシン類汚染源(燃焼副生成物、ペンタクロロフェノール製剤、クロルニトロフェン製剤およびPCB製品)のTEQ寄与も推定することができる。
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